ドイツパンを焼いてみたい! ドイツ語なんて全然分からないけど、行っちゃえば何とかるでしょ! そんな勢いで、思い立ってからすぐにドイツはケルンでのパン屋体験プログラムに申し込みました。
まずはケルンの語学学校に3ヵ月間通ってから、いよいよドイツのパン屋へ。 はじめのうちは、笑っちゃうくらい何を言っているのか分からなくて、落ち込むこともしばしば。 知ってる限りの単語とジェスチャーで話しかけてみるけど、それもなかなかうまく伝わらない。 時々“お前は手を出すなよ!”って感じで手を叩かれたり、“あいつはダメだ”みたいなこと言われてるんじゃないかな、って思うこともよくありました。 それでも“ちょっとでもうまくパンをつくれるようになりたい!”と思い、なんで失敗したんだろう?とか、じゃあどうすればいいんだろう?ということを自分なりに考えて、動くようにしました。 そしたら、職場の人たちも認めてくれたのか、“こうした方がいいよ”とか“次はこれをやってね”みたいなことを、時にはジェスチャーで、時には簡単な言葉で教えてくれるようになりました。 そして働き始めてから4ヶ月目。 だいぶコミュニケーションも取れるようになり、職場の人に“大晦日は何か予定はある?もしなかったら、うちに来いよ!ビール飲んで、年が明けたら花火あげよう!”とか“ライン川をドライブしない?あそこの景色がいいんだよ”なんて誘ってもらえたりと、毎日が本当に楽しかったです。
秋のフェストの時期が来ると、ここのパン屋には車で運べる移動式の窯があり、何度か連れていってもらい、一緒にカンパーニュを焼いたこともありました。 この窯は、最初に薪を窯の中に入れて温めてから、炭を取り除き、その余熱でパンを焼き上げるという、昔ながらの窯。 さすがパンの国!!初めて見るもの、体験することに驚きと感動の連続でした。 それに何と言っても、職場の人たちがみんな陽気! 何かすごい剣幕で言い合っていたかと思ったら、いきなり誰かが歌い始めると、他の人も歌いだし、いつの間にか大合唱になっていた、なんてことも。 そして12月には、いよいよシュトーレン作りの始まり。 この店では、販売用のシュトーレンの他に、マイスターが従業員のためだけに、特製ショコラシュトーレンを作ります。もちろん自分にも!! おかけで、そのショコラシュトーレンを、家族と友達に送ることもできました。 年が明け、1月。 この頃から、カーニバル用にベルリーナ(中にジャムとかカスタードが入った揚げパン)やミュッツェと呼ばれる揚げ菓子が、店には並び出します。 この時期、職場内は大忙しで、通常の仕事の後に、ひたすらベルリーナを作り続けました。 今回のパン屋体験を終えて思うことは、いろんな人たちに出会え、親切にしてもらい、本当に貴重な体験をすることができてよかったな、ということ。 そして、パンという食べ物を通して、ドイツの生活を知ることができたということです。 職場の人とは、今でもメールしたり、ドイツで知り合った日本人とは、日本に帰国後も会ったりしています。 めったにできない外国での体験を、これからどうやって活かしていくかは自分次第!今はそう思いながら、よりパンの世界に惹かれ、パン作りを続けています。